LastModified:2002/6/12 0:0:0
本屋に行くと、こんなにヘンだぞ!「空想科学読本」という本が出ていた。
「空想科学読本」というのは塾講師の柳田理科雄氏が
特撮、アニメを題材にして面白可笑しくその科学的矛盾を説明する、
というコンセプトで書かれた本だ。
世間一般ではサブカル系「トンデモ紹介本」の
部類に入るのだろうが、なぜ自然科学の棚にあるのかナゾとしかいいようがない。
もっとも、清家新一の「空飛ぶ円盤完成近し!」が自然科学の棚にあったりする世の中
なので仕方ないといえば仕方ない。
この「こんなにヘンだぞ!「空想科学読本」」の著者山本弘氏はSF小説家で、
一連のトンデモ本の火付け役になった「トンデモ本の世界」のメインの著者の一人
でだったりするのだが、(そしてロードスのディードのプレイヤー・・・)
最近はこちらの方が有名な気もする。
「トンデモ本の世界」は、まぁUFOとか
超常現象について書かれた結構ベストセラーな本が、かなりイイカゲンでヘンな事を書いている
ということを紹介、笑い飛ばす本である。
この空想科学読本とトンデモ本の世界、笑い飛ばすというコンセプトは似ているのだが
スタンスが全然違う。
トンデモ本の世界の方はあくまでも対象となるトンデモ本の
内容を忠実に紹介し、そのアホさ加減に突っ込みを入れるのに対して、
空想科学読本の方は先にツッコミネタがあるようで、突っ込んでいる内容は重箱の隅を
つつくようだったり、場合によっては作者が勝手に設定を創出してしまったりする。
どちらが面白いか?といわれると多分あまり作品の方を知らない一般人から見れば
空想科学読本の方がウケはいいだろうと思われる。
ただ、自分的には空想科学読本はあまり好きになれない。
まず対象の作品を良く知っているほど笑えないというのがある。
いや、その作品をけなされているから笑えないのではない。
作品への理解が間違っているから笑えないのだ。
「トンデモ本の世界」も「空想科学読本」も巻末には、
「自分は(アニメ特撮/トンデモ本)を愛しているからこそ、突っ込みを入れてしまうのだ」
というような旨のことが書かれている。
しかし、少なくとも柳田氏のスタンスからはあまり作品への愛は感じられない。
それどころか氏がちゃんとその作品を見ているのか、かなり疑問である。
少なくともこういう本を書くからには、作品を見返すくらいはしてくれないと
「作品に愛がある」とは言えないと思うのだが・・・
例えば、「マジンガーZの動力は光子力」というのはスパロボ対戦でも
やっていれば知ってる程度の知識である、
柳田氏はそこから
「光子力=太陽電池である、しかしマジンガーの体中に太陽電池を貼り付けても
マジンガーは動かないだろう」という、家にソーラーパネルでも取り付けた人
なら誰でもご存知な当たり前の結論を出す。
TV1話、漫画1巻で弓教授が
「光子力とは光子の中に内在するエネルギーのこと」
という内容のことを言っているし、超合金Zで抽出するという旨のことも言っている。
明らかに光子力は太陽光エネルギーの事ではない。
光子力/太陽光エネルギーは原子力/火力発電くらいの開きがあるのだ。
このことは、マジンガーZという作品を愛しているなら知っていて
当たり前の知識である
(私は別にマジンガーZは好きじゃないけど、この作品に関して程度のことは知っている)。
まぁそんなわけで、オタ的知識が深いほど笑えない「空想科学読本」は、
オタクの井戸の底の住民で構成される「ト学会」からはあまり快く思われていないようで、
それが「こんなにヘンだぞ!「空想科学読本」」で形となったのだろう。
「こんなにヘンだぞ!「空想科学読本」」では、「空想科学読本」の科学的間違いについて
主に指摘している部分が多い。
ただ私としては科学的間違いよりも、作品自体の紹介が間違っていたり、ネタのために
作品の設定を根本から挿げ替えてしまう「空想科学読本」には「作品への愛」を全く
感じられない。
同人等でパロディを描くのはその作品への愛故である。
愛は人それぞれの形があるので、そのパロは共感できないものもあるかもしれない。
しかし、大抵の場合パロの著者というものはその作品を良く知っているし、
マニア、ファンと呼べるだけ、深くその作品を見ている。
だが柳田氏のそれは、その最低ラインすらも感じられないのである。
ちなみに「空想科学読本」オフィシャルページはこちら
http://www.kusokagaku.co.jp/top.html
※注意!エロサイトよろしく別ウィンドウにメニューが出て、さらにそれが勝手に
移動したりして、
大変ウザイページに仕上がって
おります。
トンデモ本の世界の作者、山本弘氏のページはこちら
http://homepage3.nifty.com/hirorin/